山のなかを歩くと気持ちが良い…。
樹木、草木のグリーンシャワーを浴びながら誰もが経験によって感じていた「山歩きの心地良さ」がいま、
科学的に証明されています。
里山は、身近な最大の健康資源!
健康資源の有効活用で、市民の「健康の維持・向上」が図れることこそ最大の社会貢献であり、
それが結果的に「地域振興や 観光振興」に繋がっていきます。
広島湾岸トレイルの開発、維持・運営を通じて、
里山歩き、トレイル歩きを市民の皆さまの生活に浸透させるための啓蒙活動を推進する裏付けである「山歩きの効能」についてご紹介いたします!
「五感を刺激する山歩きは健康の秘けつ。
楽しく、心も体も健やかに」
いまこそ山歩き(トレイル)!
いまこそロングトレイルの時代です!
身近な里山の「森のなか」を歩くことは森林浴そのもの。
「森林浴」によるリラックス、免疫力の活性化、
そして、歩くことそのものによる運動効果。
舗装されていない土の道を歩くことによる五感への刺激。
「気持ち良さ」にのなかに、計り知れない効果効能が秘められています。
森林浴によるリラックス効果「フィトンチッド」に注目
森のなかで安らいだ気持ちになるのは、植物が周囲のバクテリアから自分を守るために発散させている「フィトンチッド」という成分によるもの。人はこの成分のにおいをかぐと精神が落ち着きます。
このような効果を心身の健康に役立てようと医学界がすすめているのが「森林浴」。
山歩きは森林浴そのものです。
独立行政法人森林総合研究所による実験で、森林部と都市部での生理的現象を比較すると、森林部ではストレスホルモンを始め血圧や脈拍数が低下、ストレス時に高まる交感神経の活動を抑えリラックス時に高まる副交感神経活動が活発になるなど、リラックス効果があることが実証されています。
免疫力を強化する「nk細胞」活性化され数も増加
森林浴の効果で特に注目されているのが、がんおよびウイルス性感染症に対する免疫力の強化。
森林浴によってがん細胞を滅ぼす「NK(ナチュラルキラー)細胞」が活性化し、数も増加。免疫力の上昇効果は1か月持続することが実験で分かっています。
このNK細胞の働きは加齢とともに衰退。慢性的なストレスによっても活動は抑制され、がんなどの進行が加速し、そのほか免疫機能にも影響を及ぼします。
歩いて効率よく脂肪燃焼 脳の活性化も
京都大学名誉教授である大島清医学博士によると、歩くことで脂肪が燃焼され、肥満予防効果が期待できます。激しい運動よりも効率よく脂肪が燃焼されます。また、血流環境が改善され脳に酸素が送り込まれることで、脳内ホルモンの分泌が活発に。
これが、歩くことが頭にも良いと言われる理由です。そのほか、足裏にあるツボが刺激されることによる健康維持・増進など、その効果はさまざまです。
平たんでない道を歩くことで、すべての神経が研ぎ澄まされ、自然にある見えるもの見えないものすべてが五感を刺激します。そして、フィトンチッドとの相乗効果でリラックスと健康効果がさらに向上。一度の山歩きで効果があるのですから、継続的に行うよさはいうまでもありません。山に行くことがすべての健康の秘けつ、根源だと感じています。
➤本文が掲載された雑誌「自由」:2017年4月号「山と健康」特集号の記事はこちら
➤森林セラピーについての詳しい情報などこちらを参考にしています