2/23(日)山歩き入門講座Ⅴ vol.5 行きはよいよい帰途が醍醐味?!@武田山

山岳界講座史上においては画期的な「 MAN(講師)TO MAN(受講生)制度」にて、「HWTを一人で歩ける知識と技術の習得」を目指す「山歩き入門講座」 。

山歩き入門&NS講座を修了した「研修講座生」、本講座の前身である中級登山講座修了者は「見学生」として講座に参加し、再学習&技量の維持、向上を目指します。

2月23日、第5期第5回は受講生2名(欠講者:2期生1名、3期生1名、5期生2名)!講師&アシスタント&A講師体験の計8名でHWT広島コースNo13武田山が舞台!

*****

9時に下祗園駅の山側改札口周辺に集合。新しくなった下祗園駅であっちこっちで確認。電車を降りてくる人に中に見つけられなかった研修生Mさんは広島駅から歩いて参加( ゚Д゚)ウォーミングアップばっちり!

町歩きから始まる今回も、ITさんによる地図記号の確認からスタートします♪

町中では等高線が見づらく標高が確認しづらい、そんなときに役立つ水準点の記載に着目します。

そして寒気団到来中の広島、現在の気温は4度。わたしたちのすぐ横にある木の枝葉が揺れていて、標高410.5mの武田山の山頂の気温は、標高差、風の強さからマイナスにも下がっていることを予測し、こまめな衣服調整を心がけることを確認。

初めて顔を合わせる方もあり、遅ればせながらお名前自己紹介をいただき出発です。

本日受講生2人、研修生を含むスタッフ6名!それぞれお一人に3人がつく手厚い~チーム編成(≧▽≦) 

どの道を通っていくか?地図上で計画し、計画した道をトレースすべく、現地確認しながら進んでいきます。コンパスを合わせ、所要時間を計算し、いざ、スタート!

イオンモールに面した二車線道路を渡ったのち、Tさんは軽車道をたどるショートカットコースをチョイス。田んぼの横を通る予定でしたが田んぼ記号の上には保育園が建っていました。

広い一車線道路をチョイスしたHさんと憩いの森入り口表示の交差点で合流♪細い軽車道を登り、難なく憩いの森に到着!

講座に先立ち、本日「登山食」のミニ講座を準備くださっているITさんから「くじ」が配られます。全員空くじなしの大大当たり(≧▽≦)!!!

メインのお食事アイテムに甘い&辛いセットの行動食!!

ITさんのミニ講座の学びにはいつもわくわく嬉しい~(≧▽≦)が!ITさん、ありがとうございます!!

続いて、1月の木ノ宗山の補講で入門講座全6回を修了したMさんの修了式です。Iさんから修了バッジを授与されました!

今や研修生として参加されているMさん、Oさんから次のステップ「NS(Next Stage)講座」について紹介いただきましたよ(≧▽≦)

「入門講座のほうが難しかった」のコメントに驚く受講生のおふたり。

地図に道があるのに道はない、地図に道はないのに道はある…罠がいっぱいの「ザ・里山」を舞台とした入門講座、そして、県北の人気の山々を学びの視点からコース設定した「NS講座」に興味津々です♪

さていよいよ山に入ります。

次なる地点「2分岐」へは2つのルートがあります。地図上、真北に上がっていくきつそうだけどシンプルで短い「大手道コース」、蛇行しながらいったん北北東に向かい、分岐を経て西に進む距離が長いルート。「どっち行く?!」

若いTさんが前者を選び、2チームが別々のルートを歩きます。

前期は「大手道コース」は工事中のため立ち入り禁止だったため、久しぶりに通れます。TさんチームのOさんは個人的にも武田山に親しまれていますがこのコースは初めて!さぁ、どんな道でしょう!

Hさんチーム東側のルートへ。

シンプルで一見簡単そうな「大手道コース」。登山道への取り付きが「あれ?」、倒木で道を見失って、踏み後がついている斜面のほうに誘われたり、勾配もなかなかのもの!30分弱の行程に罠と学びがぎっしり詰まっていました(^^)/

道を見失いかけたときに「踏み跡のないふわふわな地面は要注意★」。道が見えづらいときには、同じように迷って周辺を歩き回る跡があるためパッと見そこに道があるようにも見えるけれど、先まで進むとふわふわになる、そんなときは要注意。少し下がってみて遠くまで俯瞰します。そうすると道が見えてきます。

同様に、歩いてきた道のど真ん中に倒木があって道がなくなってしまった場合も、少し下がって注意深く見てみると、その先に道があったり、倒木の周りに迂回する道が作られていることがあります。

逆に、立ち入り禁止の場合には人工的に枝木を寄せ集めて置いてあったりするので区別する目を養うことが必要。

分岐2に到着。ほどなくHさんチームも到着。Hさんたちのルートは難しさはなかったけど地形の変化に富んでいたので地図と実際の地形を照らし合わせながら歩きました♪

分岐2から山頂までは一本道。史跡案内を見ながら登っていきます。
朝は快晴だった空が少しずつ雲に覆われるなか眺望を楽しみます。

11時半過ぎ、登頂。
山頂はたくさんのハイカーグループで賑わっていました。少し早いですがお弁当を広げます。「大学生ですか?」なやり取りが飛び交い交流が深まる歓談タイム(≧▽≦)

おなかが満たされたところでITさんによる「登山食」のミニ講座。どんなものを取ったらいいか?登山中だけでなく登山前後に気を付けることも!飲みもの、飲料の取り方もとても重要です!

午後から天気が下り坂、の天気予報は大当たり。

冬場の降水は雨のみならず雪に変わる場合も多々あります。1㎜の降水量が雪になると湿雪の場合1㎝の積雪になり、1㎝の積雪は1㎡で2㎏にもなることを教えていただきました。大寒波で全国各地の積雪の模様をニュースで知る毎日、雪による影響がどれだけ大変なことかを実感!

山頂ではロープの結び方の反復訓練、山頂直下の道の細い箇所でもロープワークを予定していましたが、ハイカーで賑わう中場所を占有するのは避け、下山後の憩いの森で行うこととし、集合写真を撮って下山を開始します。

山頂からまずは「分岐4」へ。コンパスを合わせて進みますが「あれ?」。「この道通ったっけ?通ったかも?」「分岐4への道は、登った時と同じ道ですか?」地図を確認しなおします。登ってきた道を降りていました( ゚Д゚)

山頂の北側から、山頂に上がる道がいくつもあって、登ってきたときはそれに気づかず別の道から降りてしまい、思った方向とは違う方向に進んでしまっていました。わかるところまで戻り、コンパスと標識を確認しなおして「分岐4」へ。

「分岐5」では、迷ってほしい西に向かう道を大きな倒木が塞いでいました。おかげで分岐に気づかずそのまま南に下ってしまいます。こののち西に向かって歩く人が道を見つけられないかもと倒木を脇に除けておきました。

上高間に寄り道♪ここは武田山ではぜひ立ち寄っていただきたいポイントです!それぞれのチームがお互いそうとは知らずポーズを撮りあっていました(≧▽≦)

もうこの頃には、眼前に広がる街のあちこちが雪雲に覆われていて、森のなかまでも吹雪くような雪が降り始めていました( ゚Д゚)

さて、武田山の実地訓練のメインはここからの下山路。あまり使われていないため、落ち葉が堆積していたり、踏み跡が薄い道を選ぶ仕掛けになっています。地図にはない分岐があり、否応なくそちらに向かって進みたくなるいい感じの道が開けていたりと、五感と頭をフル回転させるルートファインディングの連続です!

そんな分岐で、Tさんが選んだのとは別の道のはるか先に人影が見え、声が聞こえた気がしました。「気のせいじゃないよね?」下山しても、Hさんチームの姿が見えません( ゚Д゚)

「やはりあれは気のせいではなかったですね?!」

雪雨を避けてあずま屋で荷物を降ろし、冷えないように着込んでいるとHさんチームも到着!「間違えたー!(≧▽≦)」とわいわい♪

講座の安全ななかの失敗こそ、今後の山歩きの価値あるな道しるべになります。

本日最後の学びは渡河訓練。
まずはあずま屋でエイトノットとエバンスノット、チェストハーネスを復習。

結び目が動かないハーネスの結び方を再確認!

渡河訓練へ。
実際にロープを使って渡河する場面に遭遇することは一生に一度あるかないかのことかも。Iさんが話してくださったのはその貴重な体験談です。行きは雪で覆われ難なく渡れた川が、帰途では雪が解けて渡渉せざるを得ない状況。水の勢いや深さを確認、ロープの装備などが十分であることから渡渉の判断となり、無事に安全に渡渉ができたのでした。

一方、渡渉にまつわる遭難事故を紐解くと、慎重さやスキルに欠いた行動が浮かび上がってくるケースがあり、「盤石な対応」について考えさせられます。

川岸で水深が膝より低くても、中央部は深くなっているかもしれない。流れが急な箇所があったり、足を取られるような何かがあるかもしれない。ロープは上流から下流に向かって斜めに張られているか?メインロープだけでなく、いざというとき岸に引っ張り上げるための補助ロープがつけられているか?

「命に関わりますよ。大丈夫ですか?」訓練のためにロープを張る中で掛けられたIさんの言葉に真剣さがいや増します。

いざというとき、ザックより大事なのは命、と、腰ベルトを外すIさんに、一挙一動見逃すまいとシャッターを切り、カメラを回しながら注目。

「補助ロープをつけていても、引き上げることは容易ではない」。メインロープに身体を預けたときどんな風に体のコントロールが奪われるか、また、その人の重さがどうか、ひとりずつ体験していきます。

大げさなくらい思いっきりやってみることで、より現実に近い感覚を体験しました。これが水のなかと思うと…安易に渡渉することの危険性を実感!

あずま屋に戻って、講座を振り返っての感想をシェアします。

道がわからなくなったり、道を間違えたり、この日の体験は今後の山歩きの貴重な参考書となります。
読図は、先読みし、予想と実際の道があっているかどうかの確認の繰り返し。間違ったとき、どうリカバーするか?机上の学びだけではない実体験が刻み込まれました!

研修生のMさんからは「毎回テーマを決めて参加するのもいいですよ」と。この日は「2、3日ビバークできる装備を背負って」参加したそう。パーティの仲間に万が一のことがあった時荷物を背負えるための軽量化の取り組みなど、たくさんの刺激をいただきました。

目まぐるしく天候が変わり、冬の寒さを実感したいちにち。今日も、お疲れさまでした!

*****

10月から新たにスタートした「山歩き入門講座Ⅴ」はいよいよ次回が最終回!

4月からの「山歩き入門講座Ⅵ」の募集を開始しました!
山歩きを始めたい方、山歩きの仲間が欲しい方、山歩きの基本を実地で身に着けたい方、ぜひご一緒しましょう(^o^)/

【募集中!】山歩き入門講座第6期生 2025.4~2025.9開講

*開講期間:2025.4.1~2025.9.30(全6 回開講)※1人でHWTを歩ける知識と技術の習得を目指します
*開講日:毎月 1 回 第四日曜日
【第5期今後の予定】
3/23-灰ヶ峰 ※体験受講を受け付けています。

次回NS講座は来春4月に「山歩き入門講座NSⅢ」がスタートします!

*****

☆市民の市民による市民のためのトレイルである広島湾岸トレイルは皆さまの寄付(ご厚意)と社会奉仕活動により維持・開発運営されています。

広島湾岸トレイルの公式SNSへは、画面下のアイコンからアクセスできます(*^^*)

★HWT広島湾岸トレイル全踏破&全走破(WALK&RUN)速報はこちら↓↓↓

湾岸覇者*広島湾岸トレイルFacebookページ