HWTの活動の柱の一つである「安全登山推進講座」。
3/1(土)は、鈴が峰公民館にて、「山歩きが100倍楽しくなる入門講座」として山歩きの基本知識や地図とコンパスの使い方を座学でみっちり学ぶ安全登山推進講座を、ご参加者18名(館員1名含む)、当方の講師とスタッフ3名の総勢21名で、
3/2(日)は、石内公民館にて、「安心安全な山歩き教室」として熊やハチなど山の危険生物に「出会わない、出会ったら、襲われたら」のテーマでの座学講座を、ご参加者21名(館員2名含む)、当方の講師とスタッフ2名の総勢23名で開催しました。このテーマでの講座は2/1(土)に続き今年2回目の開催です!
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まずは、3/1(土)鈴が峰公民館!


登山口から一時間足らずで登れて、抜群の眺望を楽しめる鈴が峰は、HWTの山歩き入門講座の第1回の実地訓練の場所に選んでいるほど、身近で人気の里山です!
そんな身近な山でも「登ったことがない」「いつか登ってみたい」という方は少なくないそう。日頃町を歩いていて、「もう一歩自然の中に入ってみたい♪」そんなチャレンジを、より安全に、より楽しく実現していただくためのあれやこれやをお話しさせていただきました!
この日はT会長、T隊長とMの3人がスタッフとして参加。公民館だよりに写真を掲載いただいたMが講師を務めさせていただきました。
いつものきものの山歩きスタイル。「それで装備の話できるんかい?!」のツッコミも覚悟していましたが、「私もやってみたい」などの好意的なコメントをたくさんいただき、温かい空気感のなかでスタート。

★広島湾岸トレイルとわたしたちの活動について
街からのアクセスが抜群でかつ293.8㎞のロングトレイルである広島湾岸トレイルを、レジャーや観光のみならず広島の健康資源として多くの方に日常的に活用していただきたいという想いで日々整備し、また、安心して安全に楽しみ活用していただくための知識とスキルを広く提供すべく行っている安全登山推進講座や山歩き入門講座などの啓蒙活動は、わたしたちの活動の礎となる両輪です。
★山歩きがなぜ健康にいいのか?
自然のなかでのリフレッシュ感、リラックス感は理屈なしに気持ち良いもの。それを、森林浴がもたらす効能、登り下りがある全身運動がもたらす効能から紐解いていきました。
★山歩きで楽しみなことは?
五感を刺激する自然を満喫できること。風や木漏れ日を感じ、可憐なお花を楽しみます。外でいただくごはんもおいしさ抜群!
★では、山歩きで一番大切なことは?
何よりも、安全に無事に帰ること!そのためにぜひ知っておいていただきたいことをご紹介していきました。
★山歩きの装備、基本知識
自然の中ではできるだけ身体の露出を避け覆っておくこと、素材を選ぶ時の考え方、レイヤリング、何から揃えるか?
装備の三種の神器のひとつ、「合羽」。「弁当忘れても合羽忘れるな」「濡れない、濡らさない」ための合羽を単なる雨具ではなく、オールシーズンの一番外側のオールラウンドなアウターと認識すれば、年中無休の必須品となります。
★山での安全確保
道迷い防止、体温調整、水分&エネルギー補給、そのために知っておくべき基本知識。標高差や風速による気温・体感温度の変化。水分、エネルギーの必要量の計算方法。標高差から算出する所要時間、登りの体力下りの技術、事故の8割は下山で起こる、下りが楽だと思って急がない、下りに気力体力残しておくために登りで無理しすぎない、、、
★地図の携行
スマートフォンのアプリを頼って山行する場合も、概略だけでも必ず周辺エリアを含めた地図を確認しておくこと、もしも道に迷ったとき、街は東西南北どちらの方向にあってどちらに降りればよいか頭に入れておくこと。
★危険な生き物への対応方法。スズメバチ、クマ。
ハチなどに刺された時の対処法、ポイズンリムーバーの使い方、水でしっかり洗い流すためのワンポイントアドバイス、#7119。
駆け足で1時間の講義に続いて、お待ちかね地図とコンパスの使い方の実習タイム!

「現在地」である鈴が峰公民館から、近隣の小学校や最寄りのJRの駅などを「行きたい場所」として、どちらに行ったらいいかを地図とコンパスを使って確かめてみます。
「手品みたい!」
最後の目的地は「55峰」。地図とコンパスを合わせ、実際にコンパスが導く通りに外の景色が見える部屋に移動してみると、コンパスが指す方向にこんもりとした森が見え、「あった!!」

頭をフル回転で学んでいただいた2時間、お疲れさまでした!
これからどんどん外の心地よさが増していく季節、外や山での活動に役立てていただき、安全にたっぷり楽しんでいただければ幸甚です!
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続いて翌3/2(日)は石内公民館!
「安心安全な山歩き教室」♪クマやスズメバチなどの被害を防ぎ、安全に山を楽しむための知識を学びます!


石内地区でも熊の出没情報が見られるなか、しっかりと学んで安心安全な山歩きに活かしていただきたいとの館員さんからのご挨拶、ご紹介を受け、T会長が登壇です。

講義のメインは「クマ対策」。出会わないために、出会ったらどうするか、襲われたらどうするか?!
★クマに出会わないために
クマの活動の主たる目的は食料「エサ」の確保であることと知ること。エサの確保を妨害しない、エサを求めて活動している場所や時間を避けること。
エサ場に近づかない、登山道から離れてむやみに藪に入ったりしない、クマが活動する早朝薄暮に山中にいない、日の出後に山に入り、15時には必ず下山口に着いていること。
出会い頭の事故を避けるために、見通しが悪い場所では先に音を出してこちらの存在を知らせること。
クマがどんどん里に近づいて来て、クマと人間の活動エリアが重なってきていること、
スーパーに立てこもった事件、こたつに頭を突っ込んでくつろいでいた事件など、かつては起こりえなかった事件が頻発する昨今の、
「アーバンベア」「里グマ」と呼ばれるクマの生態について、さまざまなデータをもとに解説していきます。

★クマに出会ったら
聴覚や嗅覚が非常に優れていると言われるクマ、出会わないためには、常に音を出してこちらの存在を知らせるなど心がけますが、
風向きなどによってはそれが届かないことも。
もしも出会ってしまったときに、クマの興味をひかない行動を心がけたいものです。
興味をひかない、クマから見えにくい服装を選ぶこと。クマが敵対する色、クマが興味を示す色を避けること。
興味をひいたり、敵対していると思われる行動をとらないこと。できるだけ平静を保ち、後ずさりをして距離を取り、すっと大木の影などに身を隠す、、。ご参加の方にクマになっていただいたり、クマと出会った人間役を演じていただいたりと、クマと人間が出会った場面を実演し、リアルにイメージしていただきます。


休憩をはさんで、スズメバチ対策へ。スズメバチ担当のMから出会いがしらでハチに刺された体験談、周回するスズメバチを無事に回避した体験談、草刈り時に仲間が襲われた状況を目撃した体験談、そして対応を実際に見ていただきました。
ポイズンリムーバーや水で洗い流すワンポイントの工夫などには質問もいただき、山のみならず畑仕事やアウトドア活動時の備えとして活用いただけるものと期待します。
さて、クマ講座のクライマックス!
★もしも攻撃してきたら!
クマが忌避する銃音によって追い払えれば!
百円ショップで調達できる、クラッカー、火薬銃を実際に使ってみてその音を実感!
そして、最後の手段はこれ、熊スプレー。
クマの出没エリアを歩く時は、瞬時に使える状態で携行します。時速40㎞で走るクマがもし全力で向かってきたら1秒間に10m!ザックに収めたスプレーを取り出すことなどできるはずもありません、、、!安全装置を外し、すぐにスプレーできる状態で接近を待ち、スプレーが確実にクマの急所に届く距離で噴射します。
高価なものなので、実際に試射することはできないけれど、動作を確認し、イメージトレーニングしておくことがとても大切です。

2時間半にも及ぶクマ講座。
むやみに怖がるのではなく、その生態を知ることで適切な対応を取れる心構え、準備をするための一助になれば幸甚です。
この日は中国新聞の記者の方が取材に来てくださり、さっそく翌3/3(月)の朝刊に掲載いただきました!
山での活動の安全対策に役立てていただける本講座を、ぜひ聞いて学んでみたいと思われましたらどうぞお気軽にお問合せください!
また、よりみっちり学びたい方に向けて、4月からの「山歩き入門講座Ⅵ」の募集を開始しました!
山歩きを始めたい方、山歩きの仲間が欲しい方、山歩きの基本を実地で身に着けたい方、ぜひご一緒しましょう(^o^)/
【募集中!】山歩き入門講座第6期生 2025.4~2025.9開講
*開講期間:2025.4.1~2025.9.30(全6 回開講)※1人でHWTを歩ける知識と技術の習得を目指します
*開講日:毎月 1 回 第四日曜日
【第5期今後の予定】
3/23-灰ヶ峰 ※体験受講を受け付けています。
次回NS講座は来春4月に「山歩き入門講座NSⅢ」がスタートします!
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☆市民の市民による市民のためのトレイルである広島湾岸トレイルは皆さまの寄付(ご厚意)と社会奉仕活動により維持・開発運営されています。
広島湾岸トレイルの公式SNSへは、画面下のアイコンからアクセスできます(*^^*)
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