3/23(日)山歩き入門講座Ⅴ vol.6ファイナル!コブ警察登場( ゚Д゚)!@灰ケ峰

山岳界講座史上においては画期的な「 MAN(講師)TO MAN(受講生)制度」にて、「HWTを一人で歩ける知識と技術の習得」を目指す「山歩き入門講座」 。

山歩き入門&NS講座を修了した「研修講座生」、本講座の前身である中級登山講座修了者は「見学生」として講座に参加し、再学習&技量の維持、向上を目指します。

3月23日、第5期第6回は受講生3名(欠講者:2期生1名、3期生1名、5期生2名)!研修生2名、講師&アシスタント&A講師体験の計9名でHWT瀬戸コースNo20灰ケ峰が舞台!

*****

最終回のコースはこれまでと一変。乗り合わせて到着したスタート地点は灰ケ峰”山頂”です!

「下って登り返すの…?!」
そして、まず最初に、今日の課題である「普段の荷物に2キロ重量を追加して背負う」の、2リットルの水の確認をします。

この目的は歩荷訓練ではなく、「背負える重量にどのくらい余力があるか?」を確かめること。パーティーで山行する中では、故障や体調不良者が出ることは珍しくなく、そんなとき、荷物を分担して背負う必要が生じます。どのくらいなら背負えるか、自分の限界を知っておくことはとても大切!なので、最後まで背負いきることが目的ではなく、限界を感じたら自主的に「ここで水を放ちます!」と申告することも大事であることを説明しました。

今日は足の故障から4か月ぶりにT会長が講座復帰!本日修了する皆さまの晴れ姿に間に合ってトークは絶好調♪

いつもの通りに地図記号を確認し、標高と風による体感温度の変化を確認します。

標高736.8mの灰ケ峰の山頂は、ふもとより気温で約4.5度低く、枝葉が揺れる風速ではさらに3~4度体感温度が下がります。

天候は初夏を思わせる予報。低体温症など予想だにできない日中は20度を越えるこんな時、そして高山ではむしろ真夏に予期せぬ低体温症による遭難事故が発生するのです、、、!

その中でも記憶に残るトムラウシ山での遭難事故についてIさんから解説をいただきました。防寒防風の装備や体のなかから暖める食料、行動食を歩きながら補給できる準備、体調不良を自己申告し、また、行程についてひとまかせではなく参加者自身が判断できる知識とスキルの大切さ。これらの歯車がかみ合わなくなり、チームとしての機能が失われ想像を絶する大事故へと発展したトムラウシの事例。事例から学び自分の行動に必要なことを取り入れる想像力の大切さを痛感しました。

この学びは、今日の訓練テーマの一つである「今持っているものでビバークする」ことへと繋がっていきました。

3班に分かれ、いよいよスタート。

下山口を見つけたHさん、地図にはない遊歩道にドキッとしつつもコンパスに導かれて歩き始めます。

後続がなかなか見えて来ず、不安になりながらも、地図を読み込み、次に出会うはずの分岐など現在地確認のための目印への到着時間を予想しながら歩き進めます。

2つの道が合流する地点で「弾丸」と命名されたTさんチームが現れました♪

地図の読み込みに余念がないMさん、復習しながらアドバイスをするOさん、見守るKさん、久しぶりの山を満喫するT会長(≧▽≦)

研修生のOさん、Mさんは受講時の記憶を懐かしみながらしっかりと自分の言葉でアドバイスをされています♪

車道と合流。ここで正面登山路を使って急傾斜の道を安全に下るためのロープ訓練を行います。

まずはしっかりとした支柱にロープを結びます。足場の良いところで1m間隔ごとにエイトノットを結び滑り止めを施したらそのロープを使って下り、登り返します。
衆目のなかロープを結ぶのにもすっかり慣れた皆さん。

と、ここで!「コブ警察」登場( ゚Д゚)!!

「ピピーっ!落第ーーーっ?!!!」

※コブ警察とは…入門講座で訓練する「エバンスノット」の3重巻きのコブのクオリティチェッカー。コブの締めが甘く緩かったり、コブの巻き目が揃ってなかったりすると飛んできてやり直しを要求します。「コブが美しく結べている=正しく結べている」。ロープを正しく結べているかどうかは突き詰めれば命に関わることであるため妥協を許さない姿勢を貫いている。

「落第」とか「降格」とかの言葉が最終回に緊張感をもたらします。
「コブの美しさ」へのこだわりを再度頭に刻み付け、ランチタイム。

午後の学びのスタートは「低山ヒヤリハット」の体験談から。
先日湾岸覇者チャレンジをスタートさせたMさん。しょっぱなのコースで、道間違い、時間切れによるエスケープルートの選択、あるはずの道が通行不能となったなか何とか脱出を図れた貴重な体験談をシェアしてくださいました!

登ることはできても下ることは難しいルートに進んでしまった体験、電波が届かないエリア内で高度計を頼りに現在地を特定、体力を消耗したり、予期せぬ状況下で焦った心理状態など、体験して初めて実感する山の怖さなどがリアルに伝わります。

そしてその中でも、無事に日が暮れる前に下山をなしえたのはひとえにこれまでの学びをしっかりと自分のものにし、活かされたからであることが、具体的な状況説明から感じられました。Mさん、貴重な体験を共有くださりありがとうございました!

そして今日のクライマックス!こんな体験談を聞くといつ自分にも起こるかもしれない「今ここビバーク」💦

迷路のような正面登山路を、道の方向をコンパスで確かめながら、かくんかくんと折れる回数を数えながら現在地を確認しながら「地点4」に到達。

ここでビバークをします。

まず、ビバークに適する場所を選び、今持っているものを総動員して、雨や、雨が降らない場合でも夜露に濡れない工夫、身体を冷やさない工夫を、施します。

体験してみることで、日ごろから「最低限持っておくべき」と再々耳にしている装備品の活用イメージがおのずと浮き彫りになります。
ザックの内側に仕込んでおく90ℓのビニール袋、大きめのシート、ガムテープ、ホイッスル、などなど。Iさんのザックから出てきたプチプチのエアクッションも軽くてかさばらない断熱材として活用できそうです!

最後の現在地確認の「地点5」はトリックだらけ。
地図にはない道があり、背丈の高い草を刈った原っぱはどこでも通れて迷わされました。

「迷ったら引き返す」この鉄則を守ったのはHさん!いったん引き返してみると歩くべき道がすっと見えて難なく地点に到達!!

14時過ぎ、山頂にゴール!
まずは今回で入門講座を修了された3名の皆さまの修了式です!
4期からMさん、今期5期からHさんTさんのおふたり、T会長と一緒に笑顔の記念撮影。
おめでとうございます!!

そして全員がひと言コメントを。

受講生、研修生、アシスタント講師、アシスタント講師体験、講師、それぞれの立場から半年を振り返っての感想。
今期はT会長がお休みのことも多かった分、受講生の皆さまにいつも通り十分に学びスキルを身に着けていただけるようスタッフ一同力を合わせて講座の運営に努めてきました。

修了された皆さま、今回お休みされた受講生の皆さまとも、今後ともこのご縁を大切に、さまざまな機会を通じてご一緒に山を、活動を楽しんでいきたい所存です。

皆さまお疲れさまでした!

*****

4月からの「山歩き入門講座Ⅵ」の申し込みを受け付けています。
山歩きを始めたい方、山歩きの仲間が欲しい方、山歩きの基本を実地で身に着けたい方、ぜひご一緒しましょう(^o^)/

【募集中!】山歩き入門講座第6期生 2025.4~2025.9開講

*開講期間:2025.4.1~2025.9.30(全6 回開講)※1人でHWTを歩ける知識と技術の習得を目指します
*開講日:毎月 1 回 第四日曜日

次回NS講座は今春4月に「山歩き入門講座NSⅢ」がスタートします!

*****

☆市民の市民による市民のためのトレイルである広島湾岸トレイルは皆さまの寄付(ご厚意)と社会奉仕活動により維持・開発運営されています。

広島湾岸トレイルの公式SNSへは、画面下のアイコンからアクセスできます(*^^*)

★HWT広島湾岸トレイル全踏破&全走破(WALK&RUN)速報はこちら↓↓↓

湾岸覇者*広島湾岸トレイルFacebookページ