連日のように流れてくる熊関連のニュース。もはや、山に関わるひとのみならず社会全体の大きな関心ごととなりつつあるクマ、そしてその対策。HWTでは昨2024年2月から「ツキノワグマの基礎知識、出会わない、出会ったら」と題して座学でのクマ講座を開催しています。
このたび初めて、熊スプレーの噴射テストを行いました!「貴重な体験でした!」と参加者の皆さまも口々に興奮の感想をくださいました!3種類のスプレーの噴射動画を掲載しています。ぜひご覧ください。
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9/20(土)安佐公民館、9時開講の講座には、7名のご参加者、そして中国新聞のK記者が臨まれました。
少人数なれど、日々山での活動に親しまれている方ばかりで皆さまとても真剣な面持ちです。

第1回の開講から1年半を経て、配布資料は9枚、パワーポイントのスライドは実に44枚と質量ともに充実の一途をたどります。
T会長のクマ対策の基本方針は「敵(クマ)を知り、己を知れば百戦危うからず」。その言葉通りの多彩なデータから、クマの生態、著しく「里グマ化」している近年の実態などが浮き彫りになります。

「出会わないための11か条」はすぐにでも取り入れられる基本的な行動方針が中心。
マタギに倣った山行中の竹棒による音出しは、HWTの活動時も大きな安心材料のひとつとして活用しています。

出会ったら、、、襲われたら、、、
「頭をかばって地面に伏せる」と言われるその根拠を、熱演するクマ役のT会長と襲われる役のKさん!


「ツバ付きのヘルメット」は、一撃に対する頭部、顔の保護に寄与してくれるかも。

今やクマ対策のいちばんのお守りとして必携したい熊スプレー。
山行時には、「1秒で11m進むクマ」に即座に対応できるよう、安全キャップを外した状態で携行しているT会長。竹棒で音出しをし、熊スプレーを構えた状態で先頭を歩きます。

実際に携行し、使用する場面をイメージして取り扱いの訓練をしておくことが必要不可欠です。

約2時間の座学のあと、質疑応答、「音出し竹棒」の抽選会!
お昼には、参加特典のカップ麺をいただきました♪

昼食後、熊スプレーの取り扱い上の注意について、広報Mのほうからより詳しくお話をさせていただきました。
万が一クマと遭遇した時に備え、安心感を持って山で活動するうえで重要な熊スプレーも、取り扱いを一歩間違えれば自分自身や同行者など周囲の方々におおきな被害を与えることにもなりかねません。
パッケージを開ける際には、安全キャップを外してもスプレー本体から離れない、なくすことがないよう必ず確認すること、
万が一の誤射時にも、周囲の人に噴霧することがないよう、噴霧口の向きに配慮すること、つまづいたりなどの些細なショックでレバーを押さないよう持ち方に配慮するなどの注意事項を具体的にイメージしていただけるようお話ししました。
※また、熊スプレー、ハチスプレーなどが人にかかってしまった時、虫刺されや怪我などのアクシデントの時に「水で洗う」ことがとても有効です。山行時には、飲料用に加えて予備の水をぜひ携行しましょう。
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雨がぱらつくなか、屋外でのスプレーの噴射テストのため車で移動します。
山麓の広大な駐車場にて、噴射位置から3m地点、5m地点に的となる段ボールを設置し、風向きを確認します。風下および周囲一帯に一般の方がいないことを確かめ、関係者もまた風上の適切な距離を取った位置に移動し、初めてのクマ撃退スプレーの噴射テストを実施し、メーカー表示の噴射時間、噴射距離等を体感しました。
※天候:曇り、ほぼ無風状態で噴射後降雨となりました。
〇比較テスト:虫スプレー <フマキラーハエ、蚊用>
①クマスプレー<counter assault(usa)CA230>使用期限過ぎの未使用缶
:メーカー表示…容量230g / 噴射時間7.2秒 / 噴射距離9m
➡テスト結果…噴射時間7~8秒 / 噴射距離5m以上 / HWT見解:撃退有効距離5m以内、3m以内が強力!
②クマスプレー<bear attack(usa)1899161>一部噴射使用缶
:メーカー表示…容量272g / 噴射時間5秒 / 噴射距離4.5m
➡テスト結果…噴射時間一部噴射済の為、実測できず / 噴射距離5m以上 / 一部噴射済の為、有効距離判断できず!
熊スプレーについて<まとめ>
▲購入する場合、カプサイシンの含有率、容量、噴射距離、噴射時間を必ず確認の上購入願います。
格安品の場合、カプサイシンを含まない練習用のものとか、容量が小さく撃退効果が見込めないものや催眠的なものが多く市場に出回っています。専門店での購入をおすすめします。
▲取り扱い、使用等については、説明書を熟読され、取り扱い慣れする為の訓練をして万が一にお備えください。
▲購入、取り扱い等は、専門家に相談されるか、アドバイスを受けられるか、クマ講座の受講をおすすめします。
▲また、何なりとご相談下さい。

山を安全に楽しむために、自己責任の原則にのっとって安全登山の知識とスキルを身に着ける努力を惜しまず、また、講座などの機会を通じて啓蒙活動を推進していくとともに、登山道の明るさ、見通しの良さを維持すべく日常のトレイル整備により邁進していきたい所存です。
皆さまからのご意見ご感想やご要望、また、活動へのご参加をお待ちしています!
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