7/28(日)鬼ヶ城山遭難事例に学ぶ!座学@山歩き入門講座番外編!

7/28(日)山歩き入門講座Ⅳの第4回目。酷暑のなかの山行に心構え身体の準備に余念なく迎えるも、受講者の皆さまの諸事情により山行見送りとなりました💦

ならばと午前中に企画した座学講座は「遭難事例から地形図を学ぶ講座」。受講者1名、研修生1名、体験受講者1名、講師アシスタント2名の5名が、会場提供くださった楽農小屋に集まりました!

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午前9時半。外はすでに照り付ける陽射しであえぐほどの暑さ。
講座に場所を提供くださった楽農小屋の屋内に退避します。

今回取り上げられたのは、楽農小屋にほど近い「鬼ヶ城山」での昨年9月25日、26日の二日間にわたった遭難事例。

ニュース等から収集した情報によると、事例の概要は
・登山者は近くに住む60代70代の男性2人
・15時過ぎから登山開始
・25日19時45分頃70代男性からSOS通報あり
・土地勘のある地元消防団が捜索開始
・70代男性は3時間後発見救助される
・60代男性は翌26日16時前、登山者が発見、救助される
というものです。

知り得た概要に対していくつもの「なぜ?」の疑問符が飛び交います。

そもそも、下山時刻である15時頃から登山を始めたのか?
一緒に登った二人がなぜ行動を共にしていなかったのか?
60代男性はなぜSOS通報をしなかったのか?

これらについては知りえることができず推測するしかないものの、
身近な山、しかも登山口~中腹の間での遭難がなぜ起こったのか?地形図から、「迷いやすいポイント」を読み解くことによって、遭難を予防する知識の修得に繋げていきます。

まずは鬼ヶ城山全体の地形を概観します。

上深川登山口から山頂までは標高差が600m以上あり、全体的に等高線も詰まっていて、標準的なコースタイムでも2時間はかかると思われます。
概観から細部へと目を向けると、登山口から沢沿いに渡渉を繰り返しながら登っていくと、標高300m付近でまっすぐ北上していく谷筋からかくんと西進する箇所があり、ここには以前より「直進鬼の釜」の標識がかかっているとともに、直進の方向は少し勾配が緩くなっています。

ここで、「ロストしやすい要素」として、「分岐ではまっすぐ進んでしまう傾向があります」。
T会長の指摘に「うんうん」とうなづく一同。
さらにこの分岐では本来の西進するルートでは「渡渉」しなければならないため、なおさら直進に誘導されてしまうことが考えられます。

その間違いを避けるためには、事前に地図を見て、「登山口からどのくらい進んだら西進する」「沢を渡って西進する」といった予測を立てて歩くことが大切です。

また、間違った道を進み、「どんどん道が細くなる、道が無くなる」際に、間違いに気づいたら「迷ったら引き返す」ことが大切、

「今来た道を引き返す」ために、「道の特徴を確認しておく」、「コンパスで方向を確認する」ことが役に立ちます。

山頂について、360度の景色を眺めてくるくる向きを変えた時を思い出し、
「迷ったらくるくる回るよね」「どこから来たかわかんなくなるよね」と、背中に冷や汗が流れます。

読図を進めるにつれて、
「遭難のきっかけはすぐ身近にある」ことを強く意識する一同。

さらに一歩進んで、「登りでは気づかない、下りで迷いやすいポイントは?」の問いに、真剣に地図を読み取ります。

下りながら、ついつい歩きやすくて誘われてしまうポイント。
尾根伝いに勾配が緩やかでひらけた場所が一点、地図から浮かび上がりました!

辿っていくと神社に繋がっています。神社の裏や奥の院などから登山道が始まっているケースは多いことから、もしかしたらもともとここに登山口があったのかも?YAMAPなどには掲載されていないけれど地形から推測される「あったかもしれない道」を調べてみたいと興味津々♪

地図読みの面白さをまたひとつ、体験させていただきました!

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遭難事例から学んだあとは、「Iさんによる登山の基礎知識講座」。荷物の詰め方、ライターの選び方を学びましたよ。


「なぜライターを携行するのか?」「雨具はどこに収納したらいいか?」さまざまなザックの仕様に合わせた工夫など、それぞれのケースに合わせた正解を模索しました。

頭に汗をかいての学びの時間のあとは、おひるタイム!
楽農小屋のUさんが氷を詰めたクーラーボックスで冷やしてくださった飲みもので喉を潤しながら強力扇風機に涼みます。

ドアに貼られた「楽農牧場」etc、UさんとT会長の掛け合いや歓談でくつろぎのひとときをいただき、
午後は、HWT協議会の団体会員である「献水の滝物語」が主催する「8/6、市内120か所原爆慰霊碑一斉献水」のための「採水」活動に出かけました。

広島の暑い夏本番!体調管理にじゅうぶん備え対応しながら、夏の間も無理なくできることをやっていきたいと思います。

皆さま、お疲れさまでした!
Uさん、今日も、ありがとうございました!!

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4月から新たに「山歩き入門講座Ⅳ」がスタートしています!
体験受講できますよ!
10月から「山歩き入門講座Ⅴ」がスタートします!
山歩きを始めたい方、山歩きの仲間が欲しい方、山歩きの基本を実地で身に着けたい方、ぜひご一緒しましょう(^o^)/

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